獣医の私も勧めています。
10年前というと、まだ犬猫に手作りごはんを食べさせるという概念があまり広まっていない時代でしたね。たまたま私は自身や家族の体調不良を食事の見直しで改善した経験から、犬猫の病気とペットフードの関係を危惧し、手作りごはんを勧める獣医でありましたが、一般的な獣医師は栄養バランスの整っているペットフードを食べさせるようにと指導していた時代です。
しかし当時は手作りごはんを勧めてみても、動物の食性に合った内臓や骨髄が含まれていて、かつ安全で与えやすい食材を手に入れることが難しい時代でした。
そんな時に与えやすく安心な食材を提供しているさかい企画さんの存在を知った時は、
これなら手作りごはんを続けてもらえると思い、とても有難く心強く感じたものです。
さかい企画さんは、もともと人の自然食を扱っていたということですから、動物のごはんというカテゴリーにとらわれずに食のこだわりは徹底していて、安心な食材を集めるノウハウや生産者さんとの連携をしっかりと持っているところが信頼できる会社だと思いました。
健康一番の商品開発に参加しました。
そのようなネットワークを持っているさかい企画さんだからこそ出来たことがありました。お肉やお魚の食材だけでなく、忙しい飼い主さんが簡単におじやを作れるよう、穀物と野菜、魚カルシウムなどがバランスよく入っている「健康一番」という手作りアイテムを開発して下さりました。私も商品開発に獣医師として関わらせていただきましたが、様々な角度から良い商品を提供出来るよう、時間と手間をかけて開発されていたことを思い出します。
今ではたくさんの飼い主さんが、インターネット、手作り教室や手作り本を参考に、いろいろな手作りごはんにチャレンジできる時代となりました。
そして、手作りごはんを与えることで、元気で病気知らずで過ごしているということ以外に、アレルギーや消化器症状が良くなった、処方食を食べないコが処方食に代わる手作りごはんを食べてくれる、病気で食欲のないコに美味しくて体にいいご飯を作ってあげることが出来る、等々、たくさんの朗報が聞かれるようになりました。
本当に嬉しい傾向だと思います。
ホリスティック診療を始めて10年。
出来るだけ薬に頼らずに、ストレスを上手くかわし、自然治癒力を最大限発揮させてあげることで健康を取り戻すための手助けをモットーに診療を行っています。
大学では習っていない診療ですから、始めは試行錯誤を繰り返し、患者さんが先生となってたくさんの症例を経験させていただきました。
もちろん、自然治癒力を上手く発揮させてあげられないケースもありますが、たくさんの良い経過や予想以上の改善を見せてくれることを動物達から教えてもらいました。またご飯を作る喜びを伝えてくれる飼い主さんの姿にこちらが励まされることもあります。
「医食同源」という言葉がありますが、食べものと病気は密接な関係にあるという意味があります。病気にならないためにも、また、もし病気になってしまっても、適切なものを選んで食べることで体は健康体に向かうことが出来るというものです。すなわち食べるもので体は作り直せるのです。
この概念が正しいことは、実際にたくさんの動物たちが私に証明してくれています。
動物達の治る力、治そうと細胞が動き出す力は想像以上のものがあります。
この力を発揮させるためには、食事というエネルギー源が必要不可欠であると思います。
手づくりごはんで改善しました!
例えば、小さい頃から食が細くいろいろなドックフードをはしごしていたダックスのマロンちゃん、お腹が弱くタンパク漏出性腸炎という難病に罹っていました。腸の炎症を抑えるためにステロイドのお薬が止められない状態でしたが、待合室でおじやベースの玄米ポンセンをぱくっと食べてくれたことから手作りごはんが始まり、腸の炎症も落ち着き、みるみる体重が増えて、お薬も止めることが出来たケースです。
アメリカンショートヘアーのジンちゃんは、肥大型心筋症と腎機能低下、さらにアレルギー反応を起こしやすいこなので、腸管アシストという療法食しか食べさせられない状況でした。心臓と腎臓の事を考えると、良い食材で良い栄養素を取ってもらいたかったため、1種類ずつ食べることができる食材をリストアップして手作りを始めてもらいました。
症状の安定を維持して5年が経ちますが、大学病院での検査でもお墨付きの良い経過を報告してくれます。もちろん現代薬は何も飲んでいません。
キャバリアのビーナちゃんもアトピー性皮膚炎のお薬を長い間飲んでいたため、肝機能が悪くなり何か出来ることがないかと手作りごはんを始めたコですが、皮膚炎の完治はできないもののお薬は止めて元気な日常を取り戻すことが出来ました。ごはんの時間になるとジャンプして催促するそうです。
手作りごはんで症状や体調が良くなった症例はこの他にもたくさんあります。
21012年に発刊の「トッピングごはん実践Book」では心臓応援、肝臓応援、胃腸応援皮膚応援、関節応援、シニア応援、デトックス応援のためのレシピが多数紹介されていますので、ぜひご覧になって、チャレンジしてみてください。
台所は一家の薬局。
私が尊敬している方に、100歳までマクロビオティックの料理教室で活躍されていた桜沢里真先生という方がいらっしゃいます。里真先生は生徒さんに「台所は一家の薬局ですよ台所に立つものは、、一人一人の体調を考えて、心身の健康に対して責任を持って料理するという大切な任務があるんですよ。」といつもおっしゃっていたそうです。
私は、家族同様の動物達に用意する食べ物もまったく同じだと思っています。
安全で栄養価が高く、出来るだけ国内産の食材を使って、体調に合ったレシピでごはんを用意することが当たり前の生活になれば、人間も動物も地球環境ももっともっと元気をとりもどせるのではないでしょうか。
さらなる10年もさかい企画さんと手を取り合って歩んでいきたいと思っています。
2013年3月
チロとサクラのクリニック 渡辺由香